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虫歯菌の代表的な細菌にミュータンス菌があります。
北海道大学大学院歯学研究院、血管生物分子病理学の樋田京子教授らの研究では、ミュータンス菌ががんの転移を促進することが検証されています。
樋田教授は「ひどい虫歯や歯周炎があると、虫歯菌が虫歯から血管内に入り込んで全身を巡り、さまざまな臓器に炎症を起こします」と説明しています。

樋田教授らはこれまでの研究から、血管の炎症ががんの血行性転移を促すことを明らかにしており、ミュータンス菌が血管の炎症やがんの血行性転移に及ぼす影響を検討したのです。
その結果、血管内に侵入したミュータンス菌は、血管内壁を覆う血管内皮細胞で炎症を誘発し、血管内を流れるがん細胞を血管内皮に接着させやすくすること、ミュータンス菌による血管炎症で血管の透過性を高め、血管壁に接着したがん細胞が臓器側に通過しやすくなることが分かりました。